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2007年9月3日月曜日

<映才教育>時代 映画の学校はどこにでもある!

岡博大 著  フィルムアート社

2005年に登場した東京藝大の映像研究科の設立当初の話が、
前半部分に書かれているので、そのことが書かれた本なのかと思いながら
読み進めると、そうではなく、さまざまな映画に関わる人々への取材に
基づく内容が紹介されています。
さまざまな立場の方々が紹介されているので、
映画製作を取り巻く世界の現状を幅広い観点から見ることができ、
また、今後どのようになっていくかを考える上でのヒントが散りばめられています。
最後の部分では建築家の隈研吾さんも紹介されていて、
建築と映像の関わりについても考えさせられます。

形ある学校の紹介というより、
映画製作を学んでいくプロセスが
多様であるということが示されている本です。

2007年9月2日日曜日

世界が完全に思考停止する前に

森達也 著  角川文庫

オウム真理教がテーマとなっている「A」という映画つくった方が作者です。
新聞や雑誌に掲載された文章がまとめられています。
2004年に出版されたものが昨年文庫化されていました。

メディアのあり方、映像やドキュメンタリーというものについて、
根っこの部分に触れる形で、ものを考えさせてくれる本です。

今のマスコミのある方について考えさせてくれたり、
ドキュメンタリーがフィクションであるということについても
納得させてくれたり、
とにかく、いろいろなものがこの本から得られます。

2007年8月30日木曜日

ぐっとくる題名

ブルボン小林 著  中公新書ラクレ227

芥川賞を受賞した長嶋有さんがウェブサイト上のコラムをまとめられた本です。

いろいろな類型が紹介されている中で、一番面白く読めたのは、最後の現場篇です。
そこでは、ある新書本のタイトルが決まっていくプロセスが紹介されています。
最初の原案、筆者の提案、そして最後に決まったタイトル。
その一連の流れにおいて、実にさまざまことがらについて考えられていることが分かって、
とても参考になります。

といっても自分自身、映像俳句のタイトルを考える際に生かせるかというと、
なかなかすぐにタイトルをつける力が向上するわけでもないのですが、
何にしろ、
題名について考える際には、ヒントを与えてくれるかもしれない一冊です。

2007年8月16日木曜日

学者のウソ

掛谷英紀 著  ソフトバンク新書031

これはかなり刺激的な本です。
私自身が読んだ新書本のいくつもが紹介されていて、
その内容について批判的に読み解かれたりしています。
単なるウソの紹介ではなく、
どうすれば見破ることができるかという方法についても
触れられています。
だまされないようにしたい、
ものごとをしっかり考えてから判断したい、
というように、ものの考え方を身につけるためには、
読んでおいて損はない一冊です。

先生はえらい

内田樹 著  ちくまプリマー新書002

先生や学校や本などから学ぶための学び方について書かれた本です。
というよりも、実は、この本は、
理解の仕方、コミュニケーションを通じてものを考える考え方に
ついて考察されている本です。
自分自身が成長していく中で、どのような姿勢で学んでいけばよいか
ということを明確に教えてくれます。

社会脳 人生のカギをにぎるもの

岡田尊司 著  PHP新書471

精神科医で脳の研究の専門家である著者が、
人の社会性の能力に着目し、
社会脳というキーワードを中心にすえて、
人が社会を形成して存続してきたことが述べられ、
そして今後存続していくために、どういう生き方を
していけば良いかということに対するヒントを与えてくれています。

私自身、
社会生活リテラシーというキーワードを提唱する一人とすると、
それを学ぶための教科書の1冊にしたいと思える本です。

2007年7月28日土曜日

サイバージャーナリズム論

歌川令三 湯川鶴章 佐々木俊尚 森健 スポンタ中村 著

ソフトバンク新書044

新聞などの既存のマスメディアが今後どうなっていくか?
ジャーナリストの定義は?
サイバー時代の新しいジャーナリストの姿は?その役割は?
というような疑問に対してそれぞれの著者が、
実情を語り、また自らの意見を述べています。

最終章での、歌川氏と公文俊平氏との対談の中で、
公文氏が、これからは「知民」の時代だと断言されていることに
共感を覚えます。

「知民」ジャーナリストはお金にならず、
職業としてのジャーナリストは成立しなくなるという示唆も
確信をついているものと感じます。

公文氏の意見では、
今後、知の共同体においては、お布施の経済学が主流になるとのことです。

ネット上での情報のやり取りの今後を考えていく上で示唆に富む一冊です。

2007年7月25日水曜日

データはウソをつく

谷岡一郎 著  ちくまプリマー新書059

ぜひベストセラーになって、
できるだけ多くの人にこの本を読んでもらいたい。
そう思える本です。
新聞報道、あやしげな占い師、著名人のコメントなど、
ついつい信じてしまう人の多い数々のウソについて、
それを見破るための考え方が明確に示されています。

みんな、できるだけものを考えて生きようよ。という
メッセージがこめられているように思えます。

随所に紹介されている
いしいひさいち氏の4コマ漫画にも
感心させられます。

コーヒーの量と心臓の健康度について
調査する例題については、
具体的な方法を丁寧に紹介しつつ、
結局のところ、いろいろ考えるべきことがある
ということが鮮やかに書かれています。

中高生にも読める体裁の本ですが、
大人、そして研究者と称する人も
ぜひ読んでおきたい一冊です。

一人でも多くの人がこういう本を読んで、
考えるということに
前向きになってもらいたいと思います。

2007年7月24日火曜日

物理学者、ゴミと闘う

広瀬立成 著  講談社現代新書1887

レジのゴミ袋の節約は
石油の消費を抑えることに大いにつながるということ、
ペットボトルは
リサイクルされているから良いというようなものではないこと、
原子力のエネルギーに頼ることの是非についてなど、
環境の問題について考えるための材料を
数多く提供してくれています。

著者自ら、
町田市ごみゼロ市民会議の代表となっていらっしゃるそうです。
物理学の基本的な考え方を踏まえながら、
実践的な話が展開されています。

リサイクルしているから良いのだというような
間違った考えに陥らないためにも、
環境問題やごみのことについて
しっかり考えるためにも、
ぜひ読んでおきたい一冊です。

この本で述べられているような環境問題は、
これからの社会のあり方を考える上での
とても重要な問題なのですが、
今回の参議院選挙でも
大きな争点とならないということこそが、
実に大きな問題です。

2007年7月22日日曜日

なぜ勉強させるのか?

諏訪哲二 著  光文社新書291

著者は「プロ教師の会」の代表です。
「サブタイトルに教育再生を根本から考える」と掲げられていますが、
その根本にあるものとして、
個人が社会で生きるということついての考察がなされている上で、
教育についてのさまざまな事柄について述べられています。

ゆとり教育、親力、百マス計算など、
教育について考えるときに登場する最近のキーワードについても、
深く考えるための素材を得ることができます。

知識を得るということに根ざす学力というものだけに
重きをおくべきではないという主張がなされています。

まったくの同感です。

本文中で紹介されている教育学者の広田照幸氏の発言に中にある
「「わが子だけ」でなく世の中のすべての子供の未来に意識を向けてもらいたいものだ。」
という言葉にも、大いに共感できます。

教育について、また学校について考えようとする時には、ぜひ読んでおきたい一冊です。

2007年7月14日土曜日

考えるシート

山田ズーニー 著  講談社

数年前に出された本ですが、実に良くできています。

たとえば、
「おわび」を考えるシートというものがあります。
空白を埋めていくと、
相手のことを思いやったお詫びの文をつくることができます。
空白を埋めるといっても、穴埋めということではなく、
要所を押さえた構成の基本が示されているというものです。
自己紹介文から議事録まで、いろいろな文章の構成が、
実にほんわかした雰囲気で表現されています。

ものを考えるということ、文章を書くということ、
そういった力を磨くためのヒントを与えてくれる一冊です。

2007年7月9日月曜日

やわらか戦車流 Web2.0発エンタメ・ビジネス戦記

やわらか戦車連合軍 著・編  講談社

やわらか戦車という
ネット上で公開されているアニメが
売り出されるまでの過程が、
関係者へのインタビューなどをつづる中で
明らかにされています。

サブタイトルにWeb2.0発とあるように、
いきなりマスメディアを通じて
大々的に宣伝したわけでもなく、
うわさがうわさを呼ぶような状態で、
サーバへのアクセス数が急上昇していきます。

ファンワークスという会社を
お二人で始められたようですが、
その内のお一人の服部氏の言葉、
「また会社を作って思ったのは、
準備に時間をかけるのは無駄だということです。
まず始めてみるのが大事で、
あとはそのときどきに応じて、
必要となったものをやればいい。」
というのはとても印象に残りました。

連合軍という名称で、
複数の会社などのメンバーが
集まって話し合いがなされる中で、
ことが進んできたようですが、
参加者一同の中に、
おもしろいことをやろうという
共通意識があったことが
強く感じられます。

面白いことをやりたい。
プロデュースの過程を見てみたい。
Web2.0の実際を見てみたい。
と思う方にはお勧めの一冊です。

2007年7月2日月曜日

ヒトはなぜヒトをいじめるのか

正高信男 著  講談社ブルーバックスB-1556

人間以外の動物の世界では、いじめは存在しないそうです。
どうしていじめが起こるのかということについて、
実に冷静かつ的確に考察されています。
特に、傍観者の役割についての分析は、いじめがおこる確信を突いています。
社会のあり方や、子供中心主義の家庭のあり方についての問題提起もなされていて、
いじめについて考ようとする場合には、ぜひ読んでおきたい一冊です。

「一人力を養う。」ということに尽きる。と最後は締めくくられています。

記憶の「9マス英単語」

晴山陽一 著  文春新書577

3×3の9マスの真ん中にテーマが書かれていて、
その周りの8つのマスに日本語が書かれています。
その日本語を意味する英単語をクイズを解く気分で、
考えて英単語を覚えるという内容です。

挑戦するのはこれからですが、とても面白そうです。

プロローグに、テストもクイズも本来あまり意味は違わないのに、
テストは嫌われ、クイズは好かれる。そこで何とかテストを
クイズ化してみたというコンセプトが何よりも素敵です。

英単語の語彙を増やしたい人にはお勧めの一冊です。

2007年6月29日金曜日

入門!システム思考

枝廣淳子+内藤耕 著  講談社現代新書1895

 個別の要素そのものではなく、要素のつながりを重視し、構造を理解することを「システム思考」として提唱し、具体例を元に、その思考の有効性と、その思考をするためのコツが紹介されています。いろいろなものを合わせてプロデュースしていくことで世の中が面白くなると考えている私自身にとっては、まったく我が意を得たりという内容が書かれています。まさしく、ここに書かれているシステム思考を多くの人が身につけていくことが大事だと思います。

 ちなみにこの本の主な流れとはそれますが、文中に、副作用というものはなく、すべて作用なのだというような主張が書かれていて、それについては、眼からうろこが落ちるような感じで、とても新鮮な印象を受けました。

面白い本で、一読をお勧めします。
が、文字が大きく文章量は少なく、
現代新書もとうとうこの大きさの文字になるのかと
新書本の出版ラッシュの戦いの厳しさを感じます。

2007年6月24日日曜日

職場はなぜ壊れるのか

荒井千暁 著  ちくま新書643

 産業医である著者が、世の中のさまざまな過労死や労災認定される自殺などの事例を紹介していく中で、職場というものに内在する問題を掘り起こされています。時に自らの体験も交えられながら、仕事をして生きていくことのあり方についても説かれています。成果主義の大いなる問題点を指摘し、プロセスを見ることの重要性が暗に示されています。
 最近、仕事を頑張りすぎているなあなんて思われる方にとっては、必読の書です。それにしても、この本の全体を通じて、著者の自らの仕事に対する姿勢の生真面目さが伝わってきます。かなりのエネルギーが注がれてできた本であることが感じられます。

2007年6月20日水曜日

売れないのは誰のせい?

山本直人 著  新潮新書220

元々広告会社に勤務されていた著者が、
これからのマーケティングのあり方について、
実例を紹介する中で、自らの考えを述べていらっしゃいます。

情報受動型より情報検索型の効果が重要になってくると予見されていて、
そういう中で、広告につぎ込まれるお金が、どのように再分配されていくかという点が重要になってくるという指摘がなされています。

テレビCMの現状についても分析されていて、テレビや広告に興味がある方にとっては、読んでおいて損はしない一冊です。

これから面白い世の中になっていきそうだという、
今現在、私の抱いている印象について、
間違ってはいないなという確信が持てました。

2007年6月16日土曜日

爆発するソーシャルメディア

湯川鶴章 著  ソフトバンク新書034

値段はそれなりなのに文字が大きく情報量の少ないソフトバンク新書ですが、この本の中身は新鮮かつ刺激的です。これからの表現活動において、インターネットでの情報交換を通じてどのようになされていくかということの予測がなされています。この本の面白い点は、著者が既存のメディア媒体をつくる会社に所属されているということにあります。実に冷静に、今後のメディアの展開について見つめて書かれていることが伝わってきます。ブログやSNSなどを情報発信者として利用する上で、今後のあり方を探るためには、ぜひ読んでおきたい一冊です。

2007年6月5日火曜日

「変わる!」思考術

畑村洋太郎 著  PHP文庫

独立した個として生きることが大事であるとうことが説かれています。社会生活リテラシーの教科書と勝手に認定させていただきたいような内容の本です。世の中を面白くしていくためには、一人ひとりがこの本に書かれているような自分で考え行動するようになっていくしかないと思われます。組織に所属しながら生きている場合も、こうすればいろいろな状況を変えていけるのだということを教えてくれる一冊です。もうすでに、ここに書かれているような自立分散型の社会が形成されつつあると私自身は考えています。

2007年5月31日木曜日

「計画力」を強くする

加藤昭吉 著  講談社ブルーバックス Y800

私自身が、プロジェクトを進めていくときに、おそらくこうしていけば良いなと漠然と意識している事がらが、見事に整理されて示されています。自分自身がイメージしていたことが間違っていなかったことが確認できたとともに、それらが見事に描き出されていることに感激しました。そもそも未来のことは、きっちりと予測することがむずかしいもので、不確定であるからこそ、プロジェクトの進めがいもあり、目標を達成したときの喜びも得られるのだと思います。ライフプランの捕らえ方なども示されていて、ブルーバックスは理系?の雰囲気を持つシリーズですが、日々の生活の中での目標の立て方とそれを実践していく方法を、極めて具体的に教えてくれる一冊です。この本が、PERT(工程管理の画期的な手法)を開発した著者によって書かれた本だということにも感激しました。