2007年8月30日木曜日

ぐっとくる題名

ブルボン小林 著  中公新書ラクレ227

芥川賞を受賞した長嶋有さんがウェブサイト上のコラムをまとめられた本です。

いろいろな類型が紹介されている中で、一番面白く読めたのは、最後の現場篇です。
そこでは、ある新書本のタイトルが決まっていくプロセスが紹介されています。
最初の原案、筆者の提案、そして最後に決まったタイトル。
その一連の流れにおいて、実にさまざまことがらについて考えられていることが分かって、
とても参考になります。

といっても自分自身、映像俳句のタイトルを考える際に生かせるかというと、
なかなかすぐにタイトルをつける力が向上するわけでもないのですが、
何にしろ、
題名について考える際には、ヒントを与えてくれるかもしれない一冊です。

ふと立ち止まる


Video: Staition

2007年8月27日月曜日

みんなの願い


Video: All good wishes

15秒程度のタイトルつき映像を勝手に映像俳句と呼ぶことにしています。
SoapboxにUPしてみました。
Xacti(DMX-CG65)で撮影したMPEG4ファイルをそのままUPしました。
YouTubeやFlipClipにUPしたものより断然きれいです。

2007年8月16日木曜日

夏の夕食前の発見


Video: Dinner

半社会学講座

パオロ・マッツァリーノ 著  ちくま文庫

ある社会学者がペンネームで書かれた本です。
「つっこみ力」という、リテラシーをつっこみ力と訳せばよいという
観点から、社会の見方について書かれた本も著者の手になるものです。

2004年に出版されたものが今回文庫化されました。
この本の面白いの点のひとつは、
文庫化されるにあたって、各章に終わりに補講と題するものが
付け加わっています。
3年前に書かれたことを著者自身が検証する形になっています。
時間が進む中で、著者が変わらず主張し続けていることがらや、
社会情勢の変化したことなど、補講を読むことによって浮き彫りになります。
安易に使用されたデータなのか、意図的に改ざんされたものなのか、
など情報を正しく受け取るための、ものの考え方を教えてくれます。

学者のウソ

掛谷英紀 著  ソフトバンク新書031

これはかなり刺激的な本です。
私自身が読んだ新書本のいくつもが紹介されていて、
その内容について批判的に読み解かれたりしています。
単なるウソの紹介ではなく、
どうすれば見破ることができるかという方法についても
触れられています。
だまされないようにしたい、
ものごとをしっかり考えてから判断したい、
というように、ものの考え方を身につけるためには、
読んでおいて損はない一冊です。

先生はえらい

内田樹 著  ちくまプリマー新書002

先生や学校や本などから学ぶための学び方について書かれた本です。
というよりも、実は、この本は、
理解の仕方、コミュニケーションを通じてものを考える考え方に
ついて考察されている本です。
自分自身が成長していく中で、どのような姿勢で学んでいけばよいか
ということを明確に教えてくれます。

社会脳 人生のカギをにぎるもの

岡田尊司 著  PHP新書471

精神科医で脳の研究の専門家である著者が、
人の社会性の能力に着目し、
社会脳というキーワードを中心にすえて、
人が社会を形成して存続してきたことが述べられ、
そして今後存続していくために、どういう生き方を
していけば良いかということに対するヒントを与えてくれています。

私自身、
社会生活リテラシーというキーワードを提唱する一人とすると、
それを学ぶための教科書の1冊にしたいと思える本です。

2007年8月11日土曜日

尾崎豊のいた夏  歌詞に聞き入った

尾崎豊のいた夏の番組を見ていて、
歌詞に聞き入ることができた理由として、
ライブでの歌そのものの素晴らしさのためであることはもちろん、
番組としては、そこに歌詞がテロップで流れていなかったことが、
重要なことだったのだと考えられます。

もし、歌詞が流されていれば、
その字面を追って、歌に聞き入るということには
ならなかったはずです。
テロップを入れなかった編集方針に感心します。

若くして尾崎豊さんは亡くなり、
そのことは残念ではありますが、

もし生き続けていたとしても、
そういう生き方はしなかっただろうと思いながらも、
今現在、
そのまま芸能界というところで生きることになって、
バラエティ番組に出て日常生活等について話したりする
という存在になっていないことについては、
大いなる救いです。

尾崎豊がいた夏 改めて考えさせられました

NHKのプレミアム10という番組で
尾崎豊がいた夏 知られざる19歳の素顔
という内容が放送されていました。

大阪球場で行われたライブの準備からのフィナーレまでが
編集されていました。
途中には茂木健一郎氏のメッセージがはさまれていて、
あらためて歌詞に聞き入ったりもできました。

学校教育の場で提供できることは何か?
などということも自分自身においては、
考えさせられもしました。

NHKも、民放のバラエティー番組をまねたような番組や、
なんとなくいろんな人々の意見を集めたような感じで終わる
トーク番組などではなく、
こういうメッセージ性のある番組をつくってくれていればいいのに
と改めて思いました。

尾崎豊さんのそのライブ以降の生き方が、
なぜそうなっていったかということには
ふれられていませんが、

勝手に頭の中に浮かんできたのは、
人の生き方そのものについて考え抜いて
歌をつくり、歌うことを続けていこうとしたときに、
商業主義のようなものとの折り合いは、
おそらくつかなかっただろうなという
想像です。

とにもかくにも
いろいろなことを考えさせてくれた番組でした。

2007年8月5日日曜日