香山リカ 著 講談社現代新書1889
著者の他の著作物と同様に、示す論旨が非常に明確です。日本人の体、こころ、ものを考える力、など、さまざまなことがらにおいて、劣化しているという傾向を読み取れるということが、示されています。今ある自分自身についても、その姿を見直すきっかけになる本です。自分だけが良ければ良いと考える風潮やその考え方を批判しながら、最後には、その対処方法として、そういう考え方に則って行動しても損なのだということを示唆することが有効であると述べられています。あとがきの最後に著者自らが劣化する前にこの本が書けて良かったと語っていますが、劣化を防ぐためにも、この本に参考文献リストが付いていればなお良かったと感じました。
0 件のコメント:
コメントを投稿