柳田邦夫 新潮文庫
ノンフィクション作家の断章が散りばめられています。
ドキュメンタリー映像の製作者が本で主張するケースが紹介されていて、
映像で言い尽くせないことがあるという話など、そういう見方があるのか
と思わせられる話がいろいろ散りばめられています。
生きがい療法という話では、治らず死に到るとされる病の中で、生きる
方々について紹介されていて、そこで示されている3つの心得、
前向きな姿勢で病気と闘い、1日の目標を自覚して全力投球する、
人のためになることをする、ということは普段何気なく生きているような
自分自身にとっても有用なことばです。
昭和20年の堀田善衛の「広場の孤独」に次のような台詞があるということも
紹介されていますが、これにもまた驚かされます。
「現代の人間は、交通通信(コミュニケーション)が便利になるに従って
より孤独になってゆくのではないか」
頭にいろいろな刺激を与えてくれる一冊です。
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