「当事者」の時代
佐々木俊尚 氏 著
光文社新書569
弱い立場の人、被害者、そういう人に成り代わって、ものを考え、意見を述べる。
自分自身が責任ある立場に身を置くことなく、居心地良く生きる。
そういう行動の仕方を『マイノリティー憑依』という言葉で表現されています。
この本では、
社会で生きていくために、何から逃げてはいけないのかということを的確に示してくれています。
『マイノリティー憑依』に陥らないように、常に自らの言動や行動を確認する必要がありそうです。
事件や事故について報道されていることがらに、
いくつもの違和感を覚えていた私自身にとって、
この本は、ひとつの解答を与えてくれました。
神道との関係については、唐突に感じましたが、
新聞記者の内実、第二次世界大戦以降の日本の戦後史から、
『マイノリティー憑依』というとらえ方が導き出されてくるストーリーには感心させられました。
この本では、現状を認識した後、
ではどうしていけば良いのか?という答えは示してくれていません。
それこそ、当事者となって、各自が考え、行動していかなければなりません。
困難な局面に立たされていることを知ると同時に、
面白い世の中に生きていることを確認できました。
500ページ近くのひときわ分厚い新書本です。
ぜひ多くの人に読んでもらいたいと思います。
多く売れた時に、
既存メディアが、この本をどのように捉えて紹介するのか、
楽しみです。
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